2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

第1回全世代型社会保障構築会議・公的価格評価検討委員会合同会議から-1

岸田新政権の稼働に伴って設置された「新しい資本主義実現会議」と関連会議・委員会等について触れたのが次の記事。◆「新しい資本主義実現会議」は機能するか:その限界とかすかな期待(2021/11/17) その「新しい資本主義実現会議」についてその動向に今後…

『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』に描かれたベーシックインカム

相当乱暴な流し読みで一応、最後のページまで到達したので、その中に描かれたベーシックインカム(らしきもの)について、簡潔に紹介したいと思います。 ベーシックインカム論でなく、基本的には、資本主義が崩壊した後の理想社会を描くSF仕立ての小説である…

愛知県の県民割、「あいち旅eマネーキャンペーン」を利用

県民割とは、都道府県などが域内での旅行費用や飲食等消費購買費用等を住民に補助する制度。 苦境が続く旅行業界の救済や停滞する消費の活性化を目的とした、国によるGoTo トラベルの地域版といえるこの県民割。 特徴は、当然、実施都道府県に住む住民だけが…

日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金2022年案提案に向けて

ベーシック・ペンションの方針・方向性の確認 ・国民の基本的人権としての生きる権利・基本的な生活を送ることができる生活保障を目的とした社会政策の基軸としてのBP制度とし、その実現と利用により、国土・資源政策、経済政策の長期ビジョン・政策の実現と…

エマニュエル・トッド氏著『老人支配国家日本の危機』:勝手にしん・せん書-1

昔、アパレル・チェーンストア企業に勤務し人事・能力開発担当だった頃、市販のアパレル通信教育プログラムと自分で作成開発した自企業社員向け教育プログラムを一体化して活用。 そのための添付作成した副教材のコラムに<勝手に新書>と題して、自己啓発用…

斎藤幸平氏著『人新世の「資本論」』紹介・考察シリーズ記事案内

Amazonの新書ランキングを見ると、発刊以来1年以上立つけれども未だに売れ続けている斎藤幸平氏著『人新世の「資本論」』(2020/9/17刊・集英社新書)。 既に累計40万部以上売れているようです。 この書をテーマに、今年4月・5月に https://2050society.c…

「いま自分の立ち位置に迷うマジョリティ男性に待望の一冊」って意味不明:『マジョリティ男性にとってまっとうさとは何か』って何か?

新聞掲載の書評や映画評から受けたインパクト、影響をメモする <書評・映画評に、ほほう、ひょうひょう>シリーズを、先週から始めています。◆ 読み進まぬ『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』、購入候補リストにある『タリバン 復権の真…

ヤングケアラーとは

昨日2021/11/21に「親ガチャ」というコトバが広まっていることを知ったことから以下の記事を投稿。◆ 親ガチャ、マルトリートメント、ヤングケアラー:子どもを主体とする支援センターの必要性(2021/11/21)その親ガチャの一つの現実例・現実問題を示す用語…

親ガチャ、マルトリートメント、ヤングケアラー:子どもを主体とする支援センターの必要性

「どんな親を持つかで人生が決まってしまう」ということを意味する「親ガチャ」。 確かにそういう側面が人によってはないわけではない。 NPO法人「POSSE」の代表である今野氏は、誰よりも多くの子どもの雇用・貧困問題などに関わってきている。 親の子に対す…

日本維新の会ベーシックインカム政策への懸念

立党以来の維新の会の政策及び活動について、結党プロセス、その後の大阪都構想をめぐる大阪府と大阪市の首長選と住民投票の弄びなど、正直なところ非常に独善的で、胡散臭さを感じていました。 ベーシックインカムについては、以前は、先日の4月の記事で示…

具体性がない、薄い主張・反対意見展開の「論説」の重さはイカほど?

資本主義の在り方を議論することは、今に始まったものではなく、延々と続けられてきている。 現在は、資本と富の寡占化・集中、格差の拡大が昂じたことによる「行き過ぎた資本主義」がグローバル社会における共通命題になっているわけだ。 この続きは「「新…

Z世代は気候変動問題に関心、日本は関心度低下。安易な世代論を排して考える世代別クオータ制

2021/11/17日経記事◆<第4の革命 カーボンゼロ>グリーンポリティクス(2)Z世代が迫る脱炭素 若者20億人の奔流を読んでのメモを。 世界に20億~25億人存在し、世界人口の3割を占めるとい1990年代半ば以降生まれの「Z世代」。米ピュー・リサーチ・センター…

「新しい資本主義実現会議」と関連する多種類の組織構成

「新しい資本主義実現会議」は、菅義偉政権下による「成長戦略会議」を廃止し、その機能を取り込んだと日経。 確かに、岸田政権のスローガンの一つは「成長と分配」だから、成長が必須課題。 その新しい「新しい資本主義実現会議」は、一体どう機能させるの…

読み進まぬ『クソったれ資本主義が倒れたあとのもうひとつの世界』、購入候補リストにある『タリバン 復権の真実』

リタイアした今、本来時間は自由に使えるはずだが、逆に、そうしたサイト運営に自らを縛り付けることになってしまった。なぜか、先行逃げ切りを許されない団塊の世代最後に引っかかっている高齢者の責任のような念からのことだ。ということで、隙間のスキマ…

起業・スタートアップを喚起し、起業時・起業後の不安を軽減するベーシック・ペンションとは

本稿は、「起業(スタートアップ)」の増加件数やその内容、地域状況などを考えるのでもなく、「起業」を起こさせる基盤として、あるいは「起業」直後の不安への対策として、日本独自のベーシック・インカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金が、大いに…

守られていない、2015年制定「処遇改善等加算Ⅰ」、2017年制定「同Ⅱ」

まず2015年と2017年に制定された「処遇改善等加算」方式。 これは、勤続年数や、国が新たに設けたリーダー的な役職になることで、給与が加算される制度だが、規定どおりに運用されない事例が報告されており、また相談案件も多いとされている。 この続きは介…

ベーシックインカム書から考えるBI論シリーズ-6

方法や内容には違いがありますが、参考になる考え方も含むことから同氏のBI論は一定の評価をしており、ベーシック・ペンションを提案する者として2022年版の提案を行うべく、その近著 『「現金給付」の経済学 反緊縮で日本はよみがえる 』 を再確認・再評価…

脱成長vs反緊縮と経済第一主義とベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-6

1.完全雇用が達成されればよいのか ・雇用保障プログラムとは何か? ・雇用保障プログラムの問題点 ・本当に完全雇用を実現できるのか? 以上項目で構成されるこの節では、政府の国債発行による「借金」によるベーシックインカムの給付の財源化、財政赤字…

政府構想の介護職・保育職賃上げ方法

政府の考えでは、1)まず、(早ければ)来年2月から一定期間の賃上げ分を交付金として一括支給する。 申請手続きを必要とするため、実際に本人に支給されるのは来年春以降になる見通し。2)2022年度後半からは、介護事業所などが受け取るサービスの対価に…

井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-5

マネーストックとマネタリーベースの違いを知っておく もう一つ経済学の基礎知識を。 お金については以下の2種類を理解しておきたい。1)マネーストック:企業や個人など普通の民間経済主体が使うお金で、「現金」と「預金」から成り立つ2)マネタリーベ…

外資系半導体企業の国内進出に補助金は、経済安全保障に叶った政策か?

先月10月上旬、以下の記事を投稿した。◆ 半導体、産業のコメから産業と社会経済生活の心臓へ:2050年半導体自給自足国家実現へ(2021/10/4) その記事の最後に、当サイトが掲げる[国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び長期重点戦略課題]における「産業資…

衆議院大幅議席増で改憲に前のめり、で見る日本維新の会の本質・本性

公示期間中に配布された新聞折込み広告では、案の定、こうした訴えを前面に出し、格差解消や無年金問題対策、安心して挑戦できる社会、など口当たりの良い、支持してみようと思わせる表現を盛り込んでいた。そして当然ことながら、「憲法改正」「改憲」政策…

3段階に分けて導入する二階建てベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-4

「貧困の罠」や「給付額の崖」問題に対して、無条件にすべての人々にBIを支給する場合、なぜ富裕層にも支給するのかという批判が一般的になされます。それに対しては、BI支給後の富裕層への所得税への追加課税措置で、国民所得全体の再分配を行うことで対応…

COP26 石炭火力廃止46ヵ国合意に対し、資源乏しいこと理由に日本不参加の恥

英国で開催の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)。石炭火力発電所の廃止を提唱する議長国・英国の声明に、46ヵ国が同意したが、日本はしなかった。英国は、風力発電への取り組みが功を制しており、自信満々での提案だった。一方日本は、第6次…

営農型太陽光発電が促す農業・食料政策、電力エネルギー政策の統融合

営農型太陽光発電とは、農地に支柱を立てその上に太陽光パネルを設置して発電し、固定価格買い取り制度(FIT)などでの売電収入を得、同時にパネルの下で農業を営み、収入を得る。すなわち営農と発電の副業・兼業システムと言えよう。台風などにも耐える強度…

「自助・共助・公助」理念と相反するベーシックインカム:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える-3

<ベーシックインカムはネオリベ的か? >と題した項で、社会保障制度との関連でのBIの分類として、以下を挙げています。 1)代替型(ネオリベ型):既存の社会保障制度を全廃2)中間型(取捨選択型):社会保障制度のある部分は残して、それ以外は廃止す…

私的勝手な出口調査の公的情報化の怪

開票がまったく行われていない時点で、あるいは、わずかしか開票が進んでいない段階で、早々に当選確実を報じること。曰く、「出口調査と(当該マスコミ、マスメディアの)独自の取材により」ということだ。要するにこれは、私的な、勝手に行っている調査を…

岸田新政権のリベラル色が自民党の安倍・菅色を薄めて成功し、立民の共産党共闘が支持を自ら手放した2021年衆議院選

立憲民主党惨敗の理由 それは、立憲民主党の政策を色あせたものとし、岸田体制での自民党政策と大きな違いはないと思わせることになったからだ。自民党の後退抑止結果の一方、立民は、共産党とともに解散前議席数をなんと下回ってしまった。しかし、これも想…