自助、共助、公助をめぐる議論

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一般的に例えられる、社会保険の「共助」性、社会扶助の「公助」性が財源面から導き出されることになります。
 この課題について、著者は、「保険と扶助は共に互恵的なもの」「社会保険は対価的というより、はじめから社会的賃金」としています。
 これは、既に社会保険運営に保険料以外の公費(税)も補助金・支援金として投入されていることも理由の一つにされているわけです。
 これに加えて、社会保険料を自ら負担し、医療・介護保険利用時に自己負担を支払っている部分は、まさに「自助」 が最前提として仕組みの中に組み入れられており、政治・行政の場におけるもっともらしい理由付け論の基盤が形成されていることになります。
 私は、この3助論は、元来フェイク原理と考えています。

 

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生活保護解体に先立つ社会保険・社会扶助と選別・普遍主義原理問題とは:『生活保護解体論』から考えるベーシック・ペンション-5 – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション (basicpension.jp)

『日本の食と農の未来』から考える-3

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ローカル型コミュニティとテーマ型コミュニティ

 一般的には「地域で支える農業」「地域支援型農業」と訳されるCSA。
 そのコミュニティには、以下のローカル型とテーマ型があるとします。

1)ローカル型:物理的な範囲のコミュニティで、市区町村等の行政単位や農業地域など、一般的な地域
2)テーマ型:関心や価値観の共有を通じて形成され、地域や人を限定せず、理念や活動に共感する人々が参加できるオープンなコミュニティ

 ただ、以下の事例をみると、次第に両方の要素・機能が融合していくケースが多くなるのではと感じさせられます。

この続きは
ローカル・フードシステム、オルタナティブ・フードシステム、CSA実践・実現のための課題:『日本の食と農の未来』から考える-3 – 2050 SOCIETY

 

 

社会保険と生活保護の関係性からの解体視点

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国民皆保険・皆年金」体制と生活保護の関係、また「国民皆保険・皆年金」内部で拡張していった低所得者対策に焦点をあて、もう一つの社会扶助としての意味を明らかにしていく。


 こう語り始めているこの章は、社会保険のなかの国民健康保険国民年金について、生活保護制度と関係させて問題点を浮かび上がらせることを目的としている、と私なりに解釈・理解しつつ、考察を進めていきます。
 一般的な企業などに勤務するひとが加入する健康保険や厚生年金保険は、その所得により、生活保護を必要としないため、必然的に、国民健康保険国民年金加入者が、そのなかの低所得者の一部が、生活保護と関係することになるわけです。
 すなわち、社会保険加入者ではあるが、生活保護を利用する、すなわち社会扶助を受けるという組み合わせが課題の一つとなります。
 そして、本来生活保護という社会扶助を受けることができるはずの人の一部、低所得者が、必要とするレベルで社会保険を利用できない状態にあることも課題とする章です。

 

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社会保険と生活保護の関係性からの解体視点:『生活保護解体論』から考えるベーシック・ペンション-4 – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション (basicpension.jp)

『日本の食と農の未来』から考える-2

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農業就業人口とは
1)自営農業のみに従事した者
2)自営農業以外の仕事に従事していても年間労働日数で自営農業が多い者
基幹的農業従事者とは
そのうち普段仕事として主に自営農業に従事している者

 

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増える新規就農形態と広がる有機農業の課題:『日本の食と農の未来』から考える-2 – 2050 SOCIETY

運営・運用の二重原則と着目すべき課題

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上記の構成で示された
・申請保護/職権保護
・世帯単位/個人単位(世帯分離)
・ 基準表/必要即応
・非現実的な「すべて現物給付」
と、生活保護の概要を突き合わせると二重原則が並立・併用されていることがわかります。
 筆者はこれを、概ね反対のやり方を併記しているとしています。
 これが、やはり生活保護制度をややこしく、利用希望者を困惑させ、解体を提起するまでの問題を生起させ、解決できないまま放置されてきている要因というわけです。

 

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不思議で矛盾に満ちた生活保護を考えた結果としての解体:『生活保護解体論』から考えるベーシック・ペンション-3 – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション (basicpension.jp)

グローバル・フードシステムを見直すべき時代:『日本の食と農の未来』から考える-1

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グローバル・フードシステムを前提とすることは、自ずと食と農を海外依存とからめて論じることになりますし、食料自給率が低い日本も例外なく、そこに組み込まれているわけです。
 またグローバル・フードシステム視点では、斎藤幸平氏のベストセラー人新世の「資本論」(2020/9/17刊・集英社新書) で問題提起されている「グローバル・サウス」問題があります。
 開発途上国における環境破壊強制・促進、低賃金労働と貧困格差拡大と一体化された食料収奪、住民の栄養不足・健康問題・飢餓問題などの連鎖が常態化しているわけです。

 

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グローバル・フードシステムを見直すべき時代:『日本の食と農の未来』から考える-1 – 2050 SOCIETY

『生活保護解体論』から考えるベーシック・ペンション-2

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生活保護は、社会保障の一手段である社会扶助制度。
 社会保険のように社会保険料の納付(拠出)を条件とし、一定特定のリスクに対して現金やサービス給付を行うのではなく、多様な原因で生じた「今、貧困である」状態に対して、租税から給付を行なう手法。
 そこで貧困状態の確認が行われ、貧困者を「選別」する「必要な人を選んで対応する」ことになるわけです。

 しかし、この「必要な人」に生活保護が届いていない。
 その実態を示す例として以下指摘しています。

生活保護が必要な生活保護基準以下の低所得世帯の人々を実際に保護する保護率が、2019年で2%にも満たない低率であり、かつその「捕捉率」が15~30%程度と低率で推移している
生活保護に割り当てられている予算額が、2019年度約2.9兆円、社会保障関係費の約8.5%という規模
・1990年代には保護者数が100万人近くに減少したのち増加に転じ、2010年代には200万人台に達し、そのうち高齢者が100万人を超えるに至っている
・またそこでは女性単身高齢者の増加が顕著である

 この高齢者に関する事項は、当然、年金制度と強く関係していることが想像でき、本書における解体推進案の大きな要因の一つになっているわけです。

 

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生活保護の誤解、誤ったイメージを解消する解体論か:『生活保護解体論』から考えるベーシック・ペンション-2 – 日本独自のBI、ベーシック・ペンション (basicpension.jp)