2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

マジョリティとしての女性水平グループ創出へ:『ベーシックインカムとジェンダー』から考える-3

あえて事実婚や婚外子という用語を用いなければいけない社会が、前回の桐田氏の主張した生き方モデルが反映された証左といえるわけですね。多様性という言葉だけが独り歩きし、現実は、生き方モデル主義の似非社会保障制度が暗く、陰湿に拡散していると言え…

性別役割分業解放料としてのBI、口止め料としてのBI:『ベーシックインカムとジェンダー』から考える-2

労働をすべて雇用されて行うものと捉えるか、企業などの下請けとしてやはり管理・拘束下にあることを前提としていると思われるのが一つ。 もう一つは、すべて、家族形成している女性を前提としていると思われること。そこで、どちらが働き、どちらが働かない…

白崎朝子氏「あとがき」から考える『ベーシックインカムとジェンダー』論

率直に申し上げると、BIで当事者運動を可能にすることが目的ではないと考えます。BI導入とそれに伴う社会保障改革、社会改革により、そうしたこれまでの当事者活動・社会活動・労働運動などが不要になる社会を創造する。BIはその契機となり、起点となるもの…

「日本型ベーシックインカム生活基礎年金」提案のここまでのプロセス

今月は、ベーシックサービス論への対論にほぼ集中してしまいましたが、この間、非常に気がかりだったのが、『ベーシックインカムとジェンダー―生きづらさからの解放に向けて』(2011/11/15刊・現代書館刊)をご紹介せねばという思いです。

「日本型ベーシックインカム生活基礎年金」提案のここまでのプロセス

ベーシックサービスは、ベーシックインカムの後で:『幸福の財政論』的BSへの決別と協働への道筋

保育職や介護職の低賃金対策として、BS論者は、その賃金を公的に補填する、引き上げることを提案しています。もしそうするなら、私は、支給を受ける人たちの給与明細で、公的補助に拠る賃金と、事業所からの賃金をしっかり別々に表示すべきです。現在も、低…

分断を生むネット空間で女性層や無党派層をグループ化できるか:「『リベ敵』から考える-7」「政治改革実現、唯一の方法-5」

本気で政権交代しようと思わないのではなく、どういう国創りを目指し、どういう政治を行うかのグランドデザインを描けていないからと私は思っています。別の見方をすれば、政権を担う自身がない。ということは使命感・責任感もないということ。以前の政権政…

心地よい選択肢があった人はまだ良いですが、果たして、すべての人にとってそうだったかどうか。私は、少し疑問を持っています。SNSやネットに心地よい居場所を見つけることができずに、ネット空間でなにも行動を起こさない人も存在する。また、弾きだされて…

平和と社会保障と民主主義を守る女性市民の会」綱領・政策試案:政治改革実現、唯一の方法-3

「平和」「社会保障」「民主主義」綱領(試案) 「平和を守る」平和を守り、安心して安全に暮らすことができる環境社会を創造し、世代継承を可能にする。 「社会保障を守る」生涯型・全世代型総合的社会保障制度を構築し、貧困をなくし、健康的で、生きがい…

「平和と社会保障と民主主義を守る女性の会」創設を:政治改革実現、唯一の方法-2

離合集散を繰り返し、いつか来た道を戻っているかのような立憲民主党等野党にはほとんど期待できない。多くの無党派層・支持政党なしの方々は、そう思っているでしょう。保守・右には格好の状況です。今の菅内閣は、前内閣よりも独裁制に突き進む可能性が強…

コロナ下、閉塞感・独裁化が募る日本を変えるために不可欠な政治改革実現、唯一の方法-1

果たして「リベラル」とはなんぞ?、果たして「リベラル」という看板は必要なのか、と・・・。 「真のリベラルを構築すべき」と思いつつも、現実に、過去の歴史と語られる経験の中で、「真のリベラル」を見たことはあるのか。「民主主義は永遠の実験テーマ」…

「リベラルの敵がリベラル」の根拠と対策:『リベ敵』から考える-5

右であろうと左であろうと共通のものがあったり、政権党が異なる場合に、異なる政策として具体化・具現化されるものもあります。ナショナル・アイデンティティは、ナショナリズム形成と深く、浅く、関わってくるでしょう。 少しこの項目と直接結びつくイメー…

ポストコロナの税制改革とベーシックインカム財源問題

多国籍デジタル企業のビジネスと、私が提案しているJBI日本型ベーシックインカム生活基礎年金制との関係で、悩んでいることがあります。 それは、JBIは専用デジタル通貨で支給され、生活基礎年金という性質から、その利用は目的にかなう承認を得た事業所での…

井手英策氏「未来の再建のためのベーシック・サービス」とは:『未来の再建』より-2

「僕たちの作った財政」の保障原理がそういうものかどうか、どこの何に根拠があるのかも分かりません。保障すべき対象自体が、ここまで述べられてきた、医療・保育・教育・介護でとどまるのか、それらで十分なのか、現状の社会保障制度体系を考えると、不十…

井手英策氏「ベーシック・サービスの提唱」への対論:『未来の再建』から

「生活の再建」の基盤として、生計費を確保する課題があります。また「職業の再建」は、働きたくても働けない人、働きたい仕事がない人、選べない人など、働くことが当然という前提でくくれない人びとをどうするか、の視点も消えがちです。「保障の再建」が…

佐々木隆治氏「ベーシックインカムと資本主義システム」ヘの対論

貨幣は、危険なモノ、存在であるということです。貨幣をそう捉えると、確かにそういう側面はあるかもしれません。が、それだけではない、ということ、それ以外の大きな機能や可能性も持っていることを捨象して、BI批判に結びつけるのは、早計であり、教条主…

包摂すべきリベラル、が陥る排除の論理:『リベ敵』から考える-4

個を認めるアイデンティティを一つの要素でグループ化する。そのグループ一つひとつは、多様性の一つの要素なのですが、一つのグループアイデンティティ内に限れば、自己の利害がらみで意識は共有できる。しかし他との共存を意識せず、あるいは排除とまでは…

志賀信夫氏「ベーシックインカムと自由」への対論

「自由の格差と平等、貧困」で述べる「自由」の狭隘性 所得の平等は自由の格差と併存する、と言います。では「自由の格差」が生じない状態とは、どういう状態をいうのだろうか。というよりも、なぜ自由が平等でなければいけないのか、を示すべきでしょう。筆…

厚生労働白書(黒書)から考える2040年の高齢化社会と介護保険制度

公的年金のみに依存して生活を送る高齢者が現状でも65%近くを占めており、2040年には、一層増すと予想しています。 いずれにしても、介護を必要とする高齢者数が、当面減少するわけもありません。加えて、その介護に携わる家族もいなくなり、介護職も慢性的…

森 周子氏「ベーシックインカムと制度・政策」への対論

私は、雇用保険・労災保険は、社会保険に加えず、労働政策に、労働保険を組み入れ、その中に位置付けるべきと考えています。 この体系の中で、BIは一体どこに位置付けられるのか。森氏は、一般的なBI、完全UBIをそれぞれ用いて、社会手当あるいは公的扶助両…

BI、社会保障、エネルギー、農業、メディア。10年、20年スパンで取り組むべき社会課題

白書の特徴の一つは、2040年を一応想定した記述を含んでいることです。これは、当ブログサイトが方針とする2050年の望ましい社会創造を目標としていることと関係していることで、厚労省の意識の程度(の低さ)が明らかになることに注目です。個々のテーマと…

井手英策氏「財政とベーシックインカム」への対論

民主主義であろうと社会主義であろうと、一応の歴史や哲学を経てきてはいますが、そのどこにおいても理論・哲学どおりに完成されたものはありません。ベーシックインカムにも、様々な歴史や背景があり、種々の論が展開されてきましたが、やはり未だに完成形…

厚生労働白書から考える社会保障制度改革とベーシックインカム-1

・第1章 平成の30年間と、2040年にかけての社会の変容・第2章 令和時代の社会保障と働き方のあり方の2つの章から成り立っていますが、その構成をみると、生活視点が目立ち、働き方改革に関する政策と結びつける項目は、少ないようです。結局、労働力政策…

日本型ベーシックインカム、日銀BI特定デジタル通貨化の課題

日本型ベーシックインカム生活基礎年金制の導入を提案しているが、その中で、素人であることも手伝って、最も悩ましいのが、その給付を、日銀発行による専用デジタル通貨で行うことが可能かどうか、です。 ブロックチェーン技術という一般化された概念での技…

藤田孝典氏「貧困問題とベーシックインカム」への対論

日本型ベーシックインカム生活基礎年金を提案する私は、BIにより、ソーシャルワークが不要だとは考えるはずがありません。むしろ、より国や自治体が、積極的に関与し、BIとは別に推し進めるべき問題と考えています。しかし、生活基礎年金は全国民に支給され…

遅すぎた「温暖化ガス2050年ゼロ」宣言に思う

ようやく示された「温暖化ガス2050年ゼロ」政策 先月下旬10月26日に、菅首相が、エネルギー政策の抜本見直しを指示し、「温暖化ガス2050年ゼロ」を表明したのです。安倍継承内閣を掲げると、自ずと、前政権が放っておいた課題を取り上げれば、よくやったと加…

今野晴貴氏「労働の視点から見たベーシックインカム論」への対論

生活ニーズの保障が、一定基準を満たす場合は、どうでしょう。例えば、毎月15万円支給されるとしたら、どうでしょうか。今野さんが、ベースとして想定している月額4万円レベルの話じゃありません。財源がどうこう、という話は、後回しにした上でのことです…

大阪都構想消滅と問われるべき維新の会の責任

結果云々よりも、大阪都構想をめぐり、2回の住民投票が行われたことの方に興味関心を持つ私。 大阪に住む人間ではないので、あまり関心がなかったのが正直なところだ。但し、行政改革やその延長線上での地方自治体の在り方に対しての関心はそれなりに持って…