社会経済
最終章に来ましたが、そのタイトルにある「新国生み」という表現を未だにしっくりと受け止められない状態での整理・考察作業になります。公共貨幣を実現すべくたどる方法としての「新国生みイニシアティブ」。(この「イニシアティブ」という表現が「新国生…
「公共貨幣システム」は、国の借金を無限地獄に落ちるように増やし続ける欠陥をもつ「債務貨幣システム」を改革する、理想の貨幣システムです。しかし、その理想実現のプロセスにおいて、政府債務である国の借金をゼロにする必要があります。どのようにすれ…
この【第3フェーズ】『公共貨幣』「第Ⅱ部 公共貨幣システム」では、山口氏が構築した公共貨幣理論の誕生までの経緯と、公共貨幣理論自体の内容を示しています。その手始めが<第8章>で、その理論の基本的な考えに導かれたきっかけとなったステファン・ザ…
提案している日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金の金融財政システム及び社会経済システムにおける合理性について継続して検討・考察を進める。こういう認識に基づく課題の一つが、財政規律・財政健全化、税と社会保障の一体…
先日、◆ 国の税収が過去最高、21年度は67兆円程度 法人税伸びる: 日本経済新聞 (nikkei.com)(2022/7/1)◆〈国費解剖〉「必要なくなった予算」最大の6.3兆円 前年度 繰越額、2年連続20兆円超:日本経済新聞(nikkei.com)(2022/7/3)の2つの日経記事内容と…
7月1日付日経及び中日、両紙で目にした、「2021年度国の税収、過去最高の67兆円」という見出し。提案している、ベーシック・ペンションとの関係で、こうした財政に関する動向には、興味関心が高く、同日付と1日空けての7月3日付の以下の日経の2記事を…
そこでの価値は、貨幣価値では表現尽くしきれないもの、ということになります。しかし、日本の政治で行われている介護職や保育職への賃金補填は、市場価値を意識する性質と、それから切り離して公的な価値に補正する性質を併せ持ちます。また比較する例とし…
<第1回>:新型コロナウイルス禍が引き起こす社会経済システム改革-1(2020/3/3)<第2回>:新型コロナウイルス禍が引き起こす社会経済システム改革-2(2020/3/4) この2回の記事を連続させて、それぞれでのサブテーマを並べると以下のようになりま…
相当乱暴な流し読みで一応、最後のページまで到達したので、その中に描かれたベーシックインカム(らしきもの)について、簡潔に紹介したいと思います。 ベーシックインカム論でなく、基本的には、資本主義が崩壊した後の理想社会を描くSF仕立ての小説である…
Amazonの新書ランキングを見ると、発刊以来1年以上立つけれども未だに売れ続けている斎藤幸平氏著『人新世の「資本論」』(2020/9/17刊・集英社新書)。 既に累計40万部以上売れているようです。 この書をテーマに、今年4月・5月に https://2050society.c…
本稿の前提となる、岩田氏の主張の軸であるデフレ脱却のための財政金融政策は、次の通りです。1)金融政策 従来どおり、2%の物価安定目標達成のための「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」政策を継続2)財政政策 基礎的財政収支の黒字化を急がず、そ…
『「日本型格差社会」からの脱却』 同書の中で、岩田氏は、日本の格差社会化の要因である長期化しているデフレからの脱却を目標に、経済政策において所得再分配の在り方の見直しと税制改革等の実行を提案しています。 その税制改革の一つに、負の所得税、給…
初めに岩田氏は、現実の格差拡大は、ジニ係数では説明できない問題に起因するとし、特に、非正規社員の大幅増加に象徴される雇用の二極化がもたらしたとします。 それを辿ると、1990年代以降の日銀の失策が招いた、ディスインフレを経由してのデフレ化及びそ…
先に種々のインフレ発生要因を見ましたが、実際のインフレ及びハイパーインフレは、なにか一つだけの単独要因で発生・進行するものではなく、複数の要素・要因が関連関係し、複合的に伝搬・拡大・継続するものと考えます。 そこで、その要因とされるリスクの…
日本も普通の国になるべきと言います。 ここでの普通とは、軍隊を持つことを示しています。 理由は、近くに2つの、非常に危険な独裁政権が存在している特殊な状況下にあるためです。 こうした普通の適用を用いると、普通でないことも普通に解釈し、適用され…
今、新型コロナパンデミックが、行き過ぎた資本主義とそれ自体がもたらす資本主義の終焉と一体のものとして、グローバリズムの限界あるいは終焉という評価も確たるものにしつつある時代を迎えている、と言えるでしょうか。 トッド氏が、身近なEUとフランス批…
冒頭、金子氏は、新型コロナウイルスの大流行がこれまでの産業や社会システムに大きな影響を与えていくとし、その大きな変化の底流として、今、産業や技術の大転換期にあることを提示。 その中で、以下の3つの技術が軸になっていることを強調します。1)歴…
行き過ぎた資本主義、という考え方は、既に広く取り上げられ、理解されていることですが、水野氏による基本認識を、まず、本書の<第3章 日本の未来をつくる脱成長モデル>の冒頭の文章を引用して紹介します。資本主義の終焉を指摘することで警鐘を鳴らした…
ベーシックインカムが論じられるときに課題とされるの財源問題と関連する、興味深い2つの記事が、6月4日付け日経に掲載された。「未完に終わった積極財政 高橋是清の無念」と題した経済記者による記事と「国債は将来世代の負担なのか」と題したあるエコノミ…
固定観念ができていての忌避感・拒絶性と言えなくもないかもしれませんが、社会主義は好みません。その最大の理由は、「自由」と「平等」に関する考え方にあるような気がしています。こういう観念的・情緒的な課題については、突き詰めて考えてもしようがな…
地域格差も、本質的には、地域内における貧富の格差、地域間での格差両面が課題として存在します。しかし、根っこを手繰れば、これまでの家族格差、教育格差、仕事格差、そして今回の地域格差すべて、個人個人間の所得格差に発するもの。それらが複合的・複…
「自由」や「平等」。そして「幸福」。資本主義に成り代わる何かは、果たして、自由・平等・幸福を保障してくれるのか。そもそも、このテーマを、本書の中に組み入れる目的・意義は、具体的・現実的にどの程度あるのか。多様性が、当事者を軸に考えると、単…
現状の1)社会から乖離する貨幣の創られ方、を起点にして考えてみると2)中央銀行の独立とは銀行界の言いなりになること、であり3)国債を中央銀行が買う政府支出はヘリマネと同じ、であり4)国債を民間で持たせる政府支出ではなぜだめなのか、が分かり…
民間銀行の信用創造を廃止し、100%準備制度を導入し、中央銀行だけ、あるいは国だけが貨幣を発行できる制度にするとどうなるのか。そこでは「資本」という概念自体がなくなるのか?その道筋を描くことで、本書のテーマである「資本主義からの脱却」が可能に…
まずひとつ目は、コロナ禍を経験したことで強く感じさせられた、自給自足経済の整備・拡充である。グローバル企業として中国・東南アジアを生産拠点としてサプライチェーンを拡充してきたが、安い賃金を求めて各地に生産基地を整備していくことにもちろん合…
昨日2021年2月23日に、トヨタ自動車東日本株式会社(TMEJ)東富士工場跡地に創造する「ウーブンシティ」建設の地鎮祭を行ったことが発表されました。その建設構想が発表されたのが、2020年1月、米国・ラスベガスで開かれたCES2020。もうあれから1年も経過し…
国内自給自足社会において、最低限度の生活を営むために全国民に、生まれてから死ぬまで、日本独自のベーシック・インカム、生涯基礎年金、ベーシック・ペンションを支給するシステムを、基本的人権と社会保障の基本として導入することが望ましい。ここで発…