『公共貨幣』「第Ⅰ部 債務貨幣システム」<第6章 国の借金はなぜ増え続けるのか>より

まずこれまでの大きな経済危機発生時のその折々に国が採った財政政策、プライマリーバランスを改善すべく採用され、繰り返された消費税と消費増税、そして禁じ手とされた異次元の金融緩和策をもってしてもそれらが機能しなかった歴史の再録とその要因を示し…

権力の支配手段としてのお金の正体:公共貨幣論から考える-5

権力と支配の質的転換 ここまでの論述では、権力の支配の主体が、銀行にあることに重点を置いてきています。その手段が、民間の中央銀行と部分準備銀行制度であったとしているわけですが、ここに至るまでに巧妙に進化してきたと話を進めます。それが「金が金…

部分準備銀行制度と債務貨幣システム

信用貸出、信用創造を現状可能にしているのは、違法行為からではなく、れっきとした「部分準備銀行制度」という法律で規定されているからです。こうして無から創られた預金、要求払預金は、利息付きで貸し出されたものであり、政府といえども民間が創り出す…

政治的ゲーマーに長期政策の時間軸はない。ただ国政選挙に身を委ねるのみ

前日、他サイトで<時間軸>という用語が気に入ったことをきっかけに◆ 時間軸という見えない軸を、今、考えてみる(2022/6/19)というブログを投稿しました。そこでは、その日に経験したこと、日経の文化欄記事を読んで感じたこと、その内容を、時間軸をキー…

時間軸という見えない軸を、今、考えてみる

1週間ほど前から「時間軸」という言葉が気になっている、というか、気に入っている。きっかけは、日経<私の履歴書>で今月6月連載中の、住友林業最高顧問矢野龍氏のある回の執筆。その中で「時間軸」という用語が使われているのを見て、いい言葉だな、と…

『公共貨幣』「第Ⅰ部 債務貨幣システム」<第3章 日本銀行は必要か>より

・山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)・山口薫氏・山口陽恵氏共著『公共貨幣入門』(2021/10/12刊・集英社インターナショナル新書)を参考にして「公共貨幣」論のベーシック・ペンションへの組み込みの可能性と方法等を考える<「公共貨…

ベーシックインカムについても語っているトマ・ピケティ新刊書『来たれ、新たな社会主義』:勝手に新鮮書-19

昨日2022/6/16付日経夕刊に、経営学者入山章栄氏による、トマ・ピケティ氏著の新刊『来たれ、新たな社会主義――世界を読む2016-2021』(2022/4/20刊・みすず書房・¥3,520)の書評が載りました。 4月に発売された新刊書ですが、内容は、フランスのルモンド紙…

4つの機能を持つ貨幣、「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」「日本銀行法」:公共貨幣論から考える-2

現在日本国内で流通しているお金は、次の3種類。1)政府貨幣(百円玉等の鋳貨、コイン)2)日本銀行券(千円札等)3)預金(銀行の預金口座にある信用のデジタル数字)この3種類で、財やサービスの交換、支払い決済・決算が行われるが、1)2)が現金…

<「公共貨幣」論から考えるベーシック・ペンションと社会経済システム>シリーズ開始にあたって

◆ この社会経済システム改革に必要な何かがまだ描けていない。山口薫氏著『公共貨幣』『公共貨幣入門』:勝手に真剣書ー17(2022/6/3)で紹介した・山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)・山口薫氏・山口陽恵氏共著『公共貨幣入門』(20…

介護の排泄ケアシステムツール、ヘルプパッド、100施設以上に納入:女性CEO宇井吉美さん創業のaba 

「○○テック」という表現が、すべての生活や産業領域で用いられるようになっていますが、「介護テック」もその一つ。種々の介護現場における作業の生産性を上げるためのIT活用。しかし、はっきりとスタッフ何人分の作業を合理化・効率化し、省人化できるとい…

インフレ率2%達成の鍵は、格差解消の決定打「ベーシックインカム」である理由

こんなテーマでの小論が、ほぼ1年前の8月、ダイヤモンド・オンラインで配信されました。⇒ インフレ率2%達成の鍵は、格差解消の決定打「ベーシックインカム」である理由 | 山崎元のマルチスコープ | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp) 今回急に、経済…

出生数への影響は婚姻数への影響も含めて、ベーシック・ペンションのみ可能

6月3日厚生労働省による「2021年人口動態統計」発表後、関連した以下の3記事を投稿しました。 ◆ 2021年出生数81万人、出生率1.30。過去最低2005年1.26に迫る:2021年人口動態統計より(2021/6/5)◆ 過去何も生んでこなかったマスコミの少子化対策政府批判…

拙論への出生率向上対策としてのベーシック・インカムご提案のYK氏への御礼と回答

5月に投稿した、柴田悠氏著『子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)』(2016/6/25刊・勁草書房)と『子育て支援と経済成長』(2017/2/28刊・朝日新書)の2冊を参考にしての「子育て支援論」シリーズ。その3回目の◆ 気になる出生率向上と子育て支…

トヨタが牽引する、水素社会につながる技術開発と実証・実用化

2050年までに、グリーン水素エネルギーを主電源とするエネルギーの自給自足国家実現を提案している当サイト。現状では極めて困難と予想されていますが、種々の領域での水素化及び水素活用技術の開発が進められ、いずれ起きると期待されるイノベーションが、…

過剰可視化社会、フェミニズムとは、SDGsの大嘘、お金の未来、22世紀の民主主義、これからの食と農業。 6冊まとめ買い。

比較的頻繁にAmazon の新書ランキングをチェックしています。新刊の新書から、次に読むべき、読みたいと感じさせられる候補書を選択。それを利用しているYahoo! ショッピングで検索し、履歴に残しておく。そして、極力、ポイント増の日曜日に、優先順位に従…

過去何も生んでこなかったマスコミの少子化対策政府批判:2022年年間出生数80万人割れ警鐘の人口動態統計

6月3日に厚生労働省から、2021年の人口動態統計のまとめ(総覧)が公開されました。その中から、出生数・出生率に関する数値を抽出して、昨日当サイトに投稿したのが、以下の記事。 ◆ 2021年出生数81万人、出生率1.30。過去最低2005年1.26に迫る:2021年人…

2021年出生数81万人、出生率1.30。過去最低2005年1.26に迫る:2021年人口動態統計より

今回の発表は、「人口動態統計」の1年間の人口推移調査の集計値(概数)で、翌年6月に公開されるもの。これとは別に<速報値>というのがあって、月次ごとに発表されており、年明け2月に、前年12月の月次値が出ると、同時に同年1年間の月次合計<速報値…

子どもの貧困対策としての「児童手当」制度か?

基本的に、財政規律主義、税と社会保障の一体改革に従っての子育て支援策・少子化対策を、誠実に、突きつめて考察する柴田氏は、そのためには相当の財政出動が不可欠とみ、社会保障の拡充には経済成長が条件とする立場です。ですから、ベーシックインカムを…

この社会経済システム改革に必要な何かがまだ描けていない。山口薫氏著『公共貨幣』『公共貨幣入門』:勝手に真剣書ー17

絶対に入手し、理解しておくべきと考え、同様5月に入手したのが「公共貨幣」についての書。そのために最適な書としてかねてから選択していたのが、既に発刊から7年近く経っている、山口薫氏著『公共貨幣』(2015/9/24刊・東洋経済新報社)。定価が3,800円…

トラクターをFCV(Fuel Cell Vehicle)水素燃料電池車に

トヨタのFCVはなかかな広がりを見せていません。最大のネックの一つが、水素燃料を補給する水素ステーション設置の高コストと普及台数の少ないこと。相互に関係している要因なので、どこかの時点でブレイクスルーことも、現状ではイメージできない。そうした…

EBPM書としての評価は?:柴田悠・山口慎太郎両氏の<子育て支援経済論>シリーズを比較・紹介

先に、当サイトで以下の書の紹介記事を投稿しています。◆ 山口慎太郎氏著『子育て支援の経済学』:勝手に新書-7(2022/3/25)◆ 柴田悠氏著『子育て支援が日本を救う』『子育て支援と経済成長』:勝手に新書-8(2022/5/1) 前者の山口慎太郎氏の書は・『…

忘れられていた異次元金融緩和政策に基づく2%物価上昇目標が、5月、いとも簡単に実現

ウクライナ侵攻がそうした現実に拍車をかけ、日本においては、あの、長く掛け声だけであり、その責任論も有耶無耶になっていた物価上昇率2%という目標が、いとも簡単に実現してしまいました。基本的には、各種資源と原料・原材料、製品・商品の需要と供給…

経済成長主義に基づく子育て支援政策の限界:山口慎太郎氏「子育て支援論」から考える-4(総括)

日本を含め世界各国で多様・多面に展開されてきた「育休制度」や「保育改革」の実証分析や効果評価は、当然のように、一色に染められた結果を導き出してはおらず、却って、政策の選定・決定が難しいことを示すことになっています。それはあたかも、EMBPとは…

子育て支援は女性活躍が目的なのか?:山口慎太郎氏「子育て支援論」から考える-3

長すぎる育休は誰のため、何のため?3年抱っこし放題のいい加減さ(第9章から) 本章の冒頭、2013年当時の首相が「3年間抱っこし放題」と馬鹿なことをほざいて批判を浴びた件を持ち出して、<長すぎる育休は逆効果?>というテーマの露払いとしました。そ…

親にとって子育ては次世代への投資か?:山口慎太郎氏「子育て支援論」から考える-2

「子育て支援は、次世代への投資」。これは決して、子どもを持つ、あるいは子どもを持ちたいと思う親の気持ち・心情・想いを表現したものではないでしょう。まあ、一部の封建的・家父長制的感覚をいまだに抱く親が、将来子どもが親の面倒をみるものと思って…

現金給付・育休制度で出生率は向上するか:山口慎太郎氏「子育て支援論」から考える-1

今回からは、前回に続き、同類書である山口慎太郎氏『子育て支援の経済学』(2021/1/20刊・日本評論社)『「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実』(2019/7/30刊・光文社新書)を用い、同様に<山口慎太郎氏「子育て支援論」…

子育て・保育の本質から考えるべき政治行政と財政政策:柴田悠氏「子育て支援論」から考える-5(総括)

子育て政策の効果を前提としたために、経済政策としての子育て支援論になってしまった感が否めない本書。具体的な子育て政策課題については、解説書として発行された新書『子育て支援と経済成長』の<第5章 子育て支援の政策効果>に関連する記述を読み取る…

増税・財源確保の子育て支援政策のムリ筋:柴田悠氏「子育て支援論」から考える-4

<第9章 政策効果の予測値>から これを受けて、第3章から第8章まで、個別政策に関する仮説・検証作業を経て、最後にそれら社会保障政策(=変数)が及ぼすとみられる効果を、具体的数値予測化したのが本章です。筆者は、社会保障政策と表現していますが…

柴田悠氏著『子育て支援は日本を救う』『子育て支援と経済成長』から考える子育て・少子化対策論-3

少子化対策への関心度の低さ 随分機械的で無機的な仮説検証作業とその結果、という印象を抱くのは、柴田氏自身が、出生数の減少・少子化対策を子育て支援の枠内に位置付けてはいないのでは、と思わせられるからです。 例えば、非婚化・晩婚化がもたらす出生…

保育サービス支出総額だけの統計論のムリ筋:子育て柴田悠氏「子育て支援論」から考える-2

今月初めに、投稿したブログ◆ 柴田悠氏著『子育て支援が日本を救う』『子育て支援と経済成長』:勝手に新書-8(2022/5/1)で、柴田悠氏著『子育て支援が日本を救う(政策効果の統計分析)』(2016/6/25刊・勁草書房)『子育て支援と経済成長』(2017/2/28…