政治
日本人は実力主義や競争を信じている部分がある。これは間違いないところと思います。前節を受けて、ここでも主に「教育」をテーマとしており、大学の学費の高さや大学教育の無償化問題を取り上げます。ここでも、日本社会において、学歴をめぐる競争は確か…
本章の課題は、前章で提示された「日本人価値観調査」結果をもとに、現状の野党の政権交代戦略に不備はないかを考えるというもの。 昨日のニュースで、立憲民主党枝野代表が、コロナ対策や東京オリンピック・パラリンピック対策をめぐる菅政権の失政に対して…
第1章の終わりが、現実的に与野党の対立軸になり、選挙の投票行動に反映されていた要素・要因が提示されることになります。 言われてみれば、なるほど、と思うのですが、前段の社会的・経済的価値観ではそう大きな差異はない、という指摘を再確認すると、こ…
必要な政治と行政を、効果的に機能させるために必要な規模と質の政治と行政を機能させる。 そのために必要な財源・財政の適正なあり方を考えるのが、政治の最も重要な課題であり、政府の責任の最たるもの。 そう発想転換すべきであり、「支え合い」のために…
最近のリベラルの主張の根源・根幹は、脱成長および反緊縮政策に特徴が見られるのですが、枝野ビジョン論では、成長を当然の課題とした経済政策をイメージしていると見て良いでしょう。 ということは、反リベラル、緊縮政策をとるのか、と見ることができるの…
枝野氏は、人口急増から急減への変化という現実は、簡単に変えられず、少子化対策を総力を上げて推進しても出生率の2.1への回復、人口減少の抑止までには、10年単位で、二世代分、60年の期間は必要と。 しかし、どれだけかかろうとも、具体的に成果に結び…
「効率的に偏重した経済の脆弱性」を示す例が、「命を守るサービス」「一極集中問題」いわゆる「行き過ぎたグローバリズム」と、効率性との結びつきがいささかこじつけ的で、かつ分散した問題提起と感じます。 「過度な自己責任社会の脆弱さ」という指摘も、…
いわゆる「リベラル」が一般的に批判される要因である「理想の社会」を理性によって計画的に作り上げるという考え方。 これを端から立民の代表が否定し、自分たちはそうではない、と言うことから始まります。 理性でまだ見ぬ社会を描くことが「革新」なのか…
非常に興味深い書を読み終えました。三浦瑠麗氏著の『日本の分断 私たちの民主主義の未来について (文春新書)』(2021/2/20刊) 実は、今月7月から・『枝野ビジョン 支え合う日本 (文春新書)』(枝野幸男氏著:2021/5/20刊)・『左翼の逆襲 社会破壊に屈し…
日本も普通の国になるべきと言います。 ここでの普通とは、軍隊を持つことを示しています。 理由は、近くに2つの、非常に危険な独裁政権が存在している特殊な状況下にあるためです。 こうした普通の適用を用いると、普通でないことも普通に解釈し、適用され…
今、新型コロナパンデミックが、行き過ぎた資本主義とそれ自体がもたらす資本主義の終焉と一体のものとして、グローバリズムの限界あるいは終焉という評価も確たるものにしつつある時代を迎えている、と言えるでしょうか。 トッド氏が、身近なEUとフランス批…
社会的排除の理由がさまざまなのに、所得だけに注目して一律に現金を給付しても貧困がなくならないことはいうまでもない。 それゆえ、その人の「ニーズ(必要)」に合わせて問題を解決するためには、生活圏である地域において当事者に寄り添う対人社会サービ…
冒頭、金子氏は、新型コロナウイルスの大流行がこれまでの産業や社会システムに大きな影響を与えていくとし、その大きな変化の底流として、今、産業や技術の大転換期にあることを提示。 その中で、以下の3つの技術が軸になっていることを強調します。1)歴…
生活保護受給要件を満たすけれど申請せず、困窮した生活を送っている人々の典型的な例が、母子世帯・父子世帯と言われています。 その世帯の多くは、育児の負担や家族資源の乏しさから、労働時間に制約を受け、やむなく非正規職として働かざるをえない状況に…
行き過ぎた資本主義、という考え方は、既に広く取り上げられ、理解されていることですが、水野氏による基本認識を、まず、本書の<第3章 日本の未来をつくる脱成長モデル>の冒頭の文章を引用して紹介します。資本主義の終焉を指摘することで警鐘を鳴らした…
優先すべきは、多くの問題を抱える日本の子どもの保育・教育サービスをどのように整備・拡充していくのか、その子どもを持つ、あるいは子どもを持ちたいと願う大人・親の結婚・出産・子育てをどのように支援していくのかという根本認識と長期的なビジョンを…
日経<経済教室>で6月1日から3回にわたって「子ども庁、何を優先すべきか」というテーマで、3人の研究者に拠る小論が掲載されました。 このところ少子化対策に焦点を当てて、継続して投稿してきていることもあり、そのシリーズを一つずつ取り上げ、その…
日経<経済教室>で6月1日から3回にわたって「子ども庁、何を優先すべきか」というテーマで、3人の研究者に拠る小論が掲載されました。 このところ少子化対策に焦点を当てて、継続して投稿してきていることもあり、そのシリーズを一つずつ取り上げ、その…
1)ベーシック・ペンションは、日本国民に与えられた基本的人権と自由・平等に基づき支給される2)世帯ではなく個人に、平等に支給されるベーシック・ペンション3)生存権保障を目的とした生活保護制度は、ベーシック・ペンション生活基礎年金への拡充で…
ベーシックインカム(以降BIとすることがあります)、あるいは当サイトが提案するベーシック・ペンション(以降BPとすることがあります)が実現するには、政治が変わる必要がある。望ましいBI(またはBP)を公約とする既存政党が現状ないため、そして特定政…
緊急時だけの備えとしてでなく、日常の課題として認識し、その歯止めとなる社会システム、政治システムを形成し、その考え方を浸透させ、非常時・緊急時には、望ましい対応ができるよう備えておく必要がある。これがなかなか難しいところで、熱さ忘れれば、…
固定観念ができていての忌避感・拒絶性と言えなくもないかもしれませんが、社会主義は好みません。その最大の理由は、「自由」と「平等」に関する考え方にあるような気がしています。こういう観念的・情緒的な課題については、突き詰めて考えてもしようがな…
私が、右翼・保守が夢想する、公的権力主義と新自由主義とが合体した国家共同体に与しないのは、当然です。と同時に、平等の名のもとに個々人を収めさせるコミュニズム、社会主義共同体にも、その身を委ねる気にはなりません。的場氏はこう言います。 かつて…
「自由」や「平等」。そして「幸福」。資本主義に成り代わる何かは、果たして、自由・平等・幸福を保障してくれるのか。そもそも、このテーマを、本書の中に組み入れる目的・意義は、具体的・現実的にどの程度あるのか。多様性が、当事者を軸に考えると、単…
ワクチンもない。クスリもない。タケヤリで戰えというのか。このままじゃ、政治に殺される。 私たちは騙されている。この一年は、いったい何だったのか。いつまで自粛をすればいいのか。我慢大会は、もう終わりにして欲しい。ごちゃごちゃ言い訳するな。無理…
現状の1)社会から乖離する貨幣の創られ方、を起点にして考えてみると2)中央銀行の独立とは銀行界の言いなりになること、であり3)国債を中央銀行が買う政府支出はヘリマネと同じ、であり4)国債を民間で持たせる政府支出ではなぜだめなのか、が分かり…
そもそも銀行には、お金を創る特権があると聞けば、「なぜだ!?」と思うのが自然・当然。そんなことは露知らず、ほとんどの人は、銀行をの日常生活での利用や、銀行で働く人が、恵まれた給与を得ていることに羨ましくは思いつつも、さしたる疑問も抱かずに…
既に25万部が販売されたという『人新世の「資本論』。 最後は、ほとんど、情緒・情感に訴える表現で終わることになった感が強い新マルクス論。マルクスの復権・復活を期しても、過去の歴史におけるコミュニズムの呼びかけとさほど変わらない感覚としか受け止…
『人新世の「資本論」 』(斉藤幸平氏著:2020/9/22刊)に絞ってのシリーズを始めています。今回の3回目は、第5章<加速主義という現実逃避>、第6章<欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム>を対象として、既存の左派批判と真のターゲットである資本主義大…
マルクスの辿っだ道は、以下であると筆者はしています。 1.生産力至上主義 1840年代~1850年代 2.エコ社会主義 1860年代3.脱成長コミュニズム 1870年代~1880年代 一般的なマルキシズムとして理解されているのは、この<エコ社会主義>までのこと。3…