政治

「新しい資本主義実現会議」と関連する多種類の組織構成

「新しい資本主義実現会議」は、菅義偉政権下による「成長戦略会議」を廃止し、その機能を取り込んだと日経。 確かに、岸田政権のスローガンの一つは「成長と分配」だから、成長が必須課題。 その新しい「新しい資本主義実現会議」は、一体どう機能させるの…

外資系半導体企業の国内進出に補助金は、経済安全保障に叶った政策か?

先月10月上旬、以下の記事を投稿した。◆ 半導体、産業のコメから産業と社会経済生活の心臓へ:2050年半導体自給自足国家実現へ(2021/10/4) その記事の最後に、当サイトが掲げる[国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び長期重点戦略課題]における「産業資…

衆議院大幅議席増で改憲に前のめり、で見る日本維新の会の本質・本性

公示期間中に配布された新聞折込み広告では、案の定、こうした訴えを前面に出し、格差解消や無年金問題対策、安心して挑戦できる社会、など口当たりの良い、支持してみようと思わせる表現を盛り込んでいた。そして当然ことながら、「憲法改正」「改憲」政策…

私的勝手な出口調査の公的情報化の怪

開票がまったく行われていない時点で、あるいは、わずかしか開票が進んでいない段階で、早々に当選確実を報じること。曰く、「出口調査と(当該マスコミ、マスメディアの)独自の取材により」ということだ。要するにこれは、私的な、勝手に行っている調査を…

岸田新政権のリベラル色が自民党の安倍・菅色を薄めて成功し、立民の共産党共闘が支持を自ら手放した2021年衆議院選

立憲民主党惨敗の理由 それは、立憲民主党の政策を色あせたものとし、岸田体制での自民党政策と大きな違いはないと思わせることになったからだ。自民党の後退抑止結果の一方、立民は、共産党とともに解散前議席数をなんと下回ってしまった。しかし、これも想…

衆議院選挙投開票日に『こんな政権なら乗れる』を読みつつ、開票結果を待つ

まあ、どんな政党が誕生しても、当サイトが提案する内容・概要が大きく振れることはないと思っていますが、それが現実離れし、実現が不可能なものであっては意味がありません。今回の各党の政策、公約を見ると、同じ政治課題領域で、いくつもの、あるいは基…

衆議院選挙とベーシックインカムとバラマキ政策・公約

一過性の「現金給付」まさにバラマキは、問題の抜本的解決を先送りするポピュリズム的無責任政策 その多くは、すべて1回限りか、一定の条件を達成するまでの時限的政策。昨年の<特別定額給付金>が、ベーシックインカムの一つの在り方・事例として受け止め…

維新ベーシックインカムと国民民主日本型ベーシックインカムの大きな違い

一昨日、ベーシックインカムを多面的に考察し、日本独自のベーシックインカム、ベーシック・ペンション生活基礎年金を提案する、ベーシックベーシックインカム専用サイト http://basicpension.jp において◆ 維新の会ベーシックインカム案は全政党中ベストの…

ohnoharuo.com の先週記事リスト

10月12日(火)大した覚悟も方法論も持たずに政策発表し前言を即取り消す岸田首相。野党はそれを批判するといういつもの景色で始まった国会、すぐ解散10月13日(水)UAE2050年温暖化ガス排出ゼロ、EU北極圏化石燃料開発禁止:環境エネルギーを巡る多様な動き…

金融所得税と政府とGPIF

大した覚悟も方法論も持たずに政策発表し前言を即取り消す岸田首相。野党はそれを批判するといういつもの景色で始まった国会、すぐ解散この続きは大した覚悟も方法論も持たずに政策発表し前言を即取り消す岸田首相。野党はそれを批判するといういつもの景色…

2002年から2021年までに発刊され、入手した社会保障関連書を比較・概括する

<鈴木亘氏>1970年生、学習院大学経済学部教授、日本銀行入行経歴あり 一見?一読、新自由主義的立場にある学者かと思うフシもありますが、政権批判や官僚批判も強烈で、疑問点も多いが、賛同できる点も多々ある。 そう感じさせられた書ではありました。 当…

ベーシックアセットの前に社会保障政治改革を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー6

準市場と社会的資本について、これまでの記事と重複しますが、思うところを簡潔に述べておきたいと思います。 準市場の実態は、貧困・介護・育児それぞれの領域で異なることがまず一つ。 そして、真の社会民主主義福祉国家を目指す宮本氏の立場では、今後、…

理念・構想・指針としてのベーシックアセット、現実性・実現性は?:ベーシックアセット提案の宮本太郎氏のベーシックインカム論-4

<社会的投資>とは、人々の力を引き出し高めながら社会参加を広げていく福祉のかたちをいい、 生活困窮者自立支援制度を例に取ると、行政が生活困窮者を一方的に保護するのではなく、包括的相談支援で必要なサービスや所得保障につなぐことをめざす方式、と…

政治的対立軸を超克した育児・保育政治を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー5

3類型化とそれらに属する国家群は、スウェーデンの社会学者ヴォルター・コルピに拠るが、近年、一般家族支援型が両性就労支援型へ、保守主義的一般家族支援型から社会民主主義的両性就労支援型へ、両性就労支援型内での両性の子育てケア重視化など、社会経…

貧困政治とベーシックインカム、ベーシックアセット:ベーシックアセット提案の宮本太郎氏のベーシックインカム論-3

宮本氏は、小沢修司氏と原田泰氏両氏のベーシックインカム提案を紹介し、若干の比較を記しており、以下に整理してみました。 なお、小沢氏は、日本におけるベーシックインカム論の古典と言える『福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平』…

貧困政治での生活保護制度と困窮者自立支援制度の取り扱いに疑問:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー3

一つは、当然視されていた家族とコミュニティの役割が少子高齢化・未婚率の高まりと単身世帯化、地方の人口減少などで機能しなくなっていること。 その事情は、前回の記事内でも述べました。 それを家族主義幻想、コミュニティ幻想と私は言っています。 加え…

福祉資本主義の3つの政治的対立概念を考える:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』序論から

宮本太郎氏の近著『貧困・介護・育児の政治 ベーシックアセットの福祉国家へ』 貧困、介護、育児という社会政策上及び社会保障・福祉制度上の重要な課題領域を「政治」として考える書。 私自身は、介護行政、保育行政などのように「行政」と組み合わせて考察…

岩田規久男氏提案「21世紀の日本経済の課題」評価:『「日本型格差社会」からの脱却』からー2

1.アベノミクスを評価するが、不明瞭な自民政権の経済財政政策批判 前回、日本格差は、日銀の誤った金融政策に拠る、デフレの長期化が発生原因と岩田氏はしていることをお伝えしました。 但し、それは、現状の黒田総裁下における長期に渡る大胆な金融緩和…

岩田規久男氏による「21世紀の日本経済の課題」:当サイト2050年長期社会経済政策比較

初めに岩田氏は、現実の格差拡大は、ジニ係数では説明できない問題に起因するとし、特に、非正規社員の大幅増加に象徴される雇用の二極化がもたらしたとします。 それを辿ると、1990年代以降の日銀の失策が招いた、ディスインフレを経由してのデフレ化及びそ…

脱炭素、グリーントランスフォーメーション(GX=緑転)4つの課題

緑のルールのスタンダード策定の主導権は、既にEUにあることは動かしがたい事実。 日本がそこに一定のプレゼンスを得るには、今後の運用とスタンダードの見直し・修正に、公平な立場で関わり貢献すること、と認識し、行動することが望ましいと思います。 国…

国政政策 2050年長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

1.内閣・行政改革 (基本方針) 人間の本質的な不完全性と権力・権益に対する欲求と麻痺により、その時代、その社会において政権と政治に種々多大な誤りや横暴が表出し、社会問題を長期化しかつ拡大させます。 そうした政治状況からの回復・修正を、都度、…

経済政策 2050年長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

1.自給自足経済政策 (基本方針) コロナパンデミックで経験した物流・人流の停止等の経験、また国家間の力学的な問題等から想定すべき、経済の安全保障ニーズに基づき、まずその基本である国内で還流・循環する自給自足経済の確立を目指し、確実に実現し…

社会政策 2050年長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

2.保育政策・子育て支援政策、少子化対策・こども貧困対策 (基本方針) 長期化し、歯止めがかかっていない出生率低下・出生数減少、少子化対策の抜本的な見直しを、2050年人口1億人への人口減少社会を想定して行い、目標とする社会の実現を図る。 それと…

国土・資源政策 2050年長期ビジョン及び短中長期重点戦略課題

国土・ 2.電力・エネルギー自給自足による安全保障・維持・開発管理 (基本方針) 気候温暖化・自然環境破壊などがもたらす国民生活、各種事業活動上の不安・悪影響を抑止し、将来に向けて持続可能な電力・エネルギー自給自足体制の整備、安心・安全を保障…

国土・資源政策、社会政策、経済政策、国政政策4区分での長期ビジョン重点戦略試案

2回で展開したカテゴリーを整理、体系化し、今後の政治のあり方、今秋の衆議院選挙時及びそれ以降の国政選挙時における各政党の政策や公約と比較し、その評価などの材料・情報にすることを目的として、次の4区分でこれから検討・考察・提起していきます。Ⅰ…

当サイト2050society.com の2021年下期カテゴリー変更:コロナ禍で構築すべき国家ビジョンと長期政治行政改革計画-2

山積する政治課題は、東京オリンピック・パラリンピックで何かが改善・解決されるものではまったくあり得ないことは自明。 その異常な祭り以前に積み重ねられてきた、劣化した政治行政がもたらしてきた悪政やさまざまな社会問題は、その祭りの間も、コロナ禍…

異常な祭りの後に正常なまつりごとを:2021年起点に構築する2050年国家ビジョンと長期政治行政改革計画1ー2021年衆院選各党公約注視から

昨年2010年に産まれた子どもの30年後、2050年に日本の社会がどのようになっているか。 政治や行政がどのような日本社会を構築しているか。 こう30年後を考えることは、決して夢物語を紡ぐことではないですし、非現実的な取り組みでもありません。 反対に、30…

真のベーシックインカム実現を政策とする政党ゼロから取り組むべき現状と今後

ベーシックインカム(ベーシック・ペンション)は、社会政策上は、国民の基本的人権に基づき生活を守る・安心を提供するという面では「保守」であり、そこで給付されるBIをベースとして、自由な生き方・働き方をめざすことができるという面では「リベラル」…

民主主義が分断を生み出すというレトリック:『日本の分断』「日本人価値観調査」から-7

三浦氏によれば、今現在、当たり前の民主主義が成り立っているということになるのでしょう。 その結果起きているさまざまな社会問題自体の分断化も、民主主義の結果ゆえやむを得ないもの、ということになるのでしょう。 一般の人々が及ばない、裏の、利権と…

政党・政権選択では建前と本音が違うのか:『日本の分断』「日本人価値観調査」から-5

冒頭この節では、2017年衆院選、2019年参院選のそれぞれ選挙区・比例代表への投票における自民党への投票頻度と、これまで利用している価値観診断調査への回答2060人全員の回答の各論点への賛同度との相関を可視化し、本音と建前分析を試みています。 そのグ…