従来の少子化対策で出生率が十分に回復しなかった2つの理由

少子化対策出生率改善に機能しなかった理由として、効果が表れるまでに時間がかかることを念頭に次の2点をあげている。

1)少子化対策のターゲットの問題
・第1期と第2期の少子化対策で進められた保育対策と両立支援(育児休業、育児短時間勤務、就業時間の柔軟化など)の実質的なメインターゲットは、出産・育児期に継続就業する正規雇用者同士の共働き夫婦であり、未婚者の結婚を支援する政策は遅れていた。
・第3期の対策の効果を見極めるにはまだ時間がかかるうえ、不幸にも新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が生じてしまった。

2)少子化対策の中身の問題
・児童手当などの経済的支援である現金給付と、保育・幼児教育、育児休業、妊娠・出産支援などの現物給付の両者が拡充される必要があるが、現物給付の充実に対し、現金給付はほとんど拡充されなかった

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究極の少子化対策、総域的支援の意味と現金給付の適正額は?:日経経済教室「少子化に打つ手はないか」から考える-1 – 2050 SOCIETY