岩田規久男氏提案「21世紀の日本経済の課題」評価:『「日本型格差社会」からの脱却』からー2
1.アベノミクスを評価するが、不明瞭な自民政権の経済財政政策批判
前回、日本格差は、日銀の誤った金融政策に拠る、デフレの長期化が発生原因と岩田氏はしていることをお伝えしました。
但し、それは、現状の黒田総裁下における長期に渡る大胆な金融緩和策ではなく、遡ってそれ以前の白川総裁時日銀金融政策のためという批判一辺倒という集中振りです。
しかし、現実に長期化しているデフレ経済は、第3次にも及んだ安倍前政権期間におけるものであり、デフレ克服が、金融政策・財政政策双方を必要とすることを考えれば、本書は前安倍政権批判の書という性格があっても良いはずです。
ですが、他の多くのアベノミクス批判に対して、岩田氏は逆に評価しています。