利用者視点での介護保険制度評価が欠落した介護政治論:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー4

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 もう日常用語化・時事用語化している、老老介護、認認介護、介護離職、介護殺人、ヤングケアラー、8050問題、仕事と介護の両立などがまず思い浮かびます。
 介護の現場に関しては、介護人材不足、低賃金と労働条件・労働環境問題、高い離職率、高い介護職の有効求人倍率、介護職員に拠る事故・事件、介護家族と介護職員とのトラブルなどもすぐに思いつきます。

 なぜか、本書では、そうした本質的に介護政治の対象であるはずの問題について、ほとんど触れられていないに等しいのです。
 社会民主主義的立場からの本書の執筆であり、従来の社会民主主義的政策を乗り超えるための、また乗り超えることができるとするベーシックアセットを提起することを目的としていたはずです。

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