ベーシックアセットの前に社会保障政治改革を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー6

 

 

準市場と社会的資本について、これまでの記事と重複しますが、思うところを簡潔に述べておきたいと思います。
 準市場の実態は、貧困・介護・育児それぞれの領域で異なることがまず一つ。
 そして、真の社会民主主義福祉国家を目指す宮本氏の立場では、今後、生協・NPO社会福祉法人などの非営利の民間事業者、コ・プロダクションが、財源の支援を受けつつ広がっていくことを想定、あるいは期待していると読み取れます。
 そこでのキーワードは、地域密着であり、オーダーメードサービスを可能にする相談組織機能の整備です。
 決して、地方自治体が自ら公的・公営事業としてのサービス給付を拡充していくべきとはしていません。
 本来それは、地方自治体が担うべきもの、ことと思うのですが、本書では、その主張・提案は見られず、あたかもすべてが協力・共同して集う社会が担うかのような論述に受け止められるのです。

 

 

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ベーシックアセットの前に社会保障政治改革を:宮本太郎氏『貧困・介護・育児の政治』からー6 – 2050 SOCIETY

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