コロナ禍ゆえ、長引く不況ゆえだけのためのベーシックインカムではない:井上智洋氏著『現金給付の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』から考える
本書のタイトルに<経済学>と入っているように、井上BI論は、経済学者である同氏による経済面からのベーシックインカム提案論であることが前提であること。
これが最大の特徴です。
それは、サブタイトルに「反緊縮で日本はよみがえる」と入れていることでも示されています。
先に一つの結論を示しておくと、これが、当サイト提案のベーシック・ペンションとの最も基本的な違いです。
より社会保障・生活保障・基本的人権政策としてのBIを推しだし、経済的観点からそれをバックアップする。
こういう構図・構成・論理を井上氏が用いてくれることを期待しているのですが、生活保護制度面からの考察を少し用いる程度で、これまでの同氏の論述には、まったく変化が見られていません。
そして、数多のBI論における最大の課題である<BI財源>に関する提起・提案が、井上BI論のもう一つの特徴でもあります。