習近平・中国の野望、多様な背景にある中東のエネルギー戦略事情:ダニエル・ヤーギン著『新しい世界の資源地図』から考える、2050年日本のエネルギー・資源戦略-2

 

今回は2回目で、<第3部 中国の地図>と<第4部 中東の地図>を取り上げます。

 

ヤーギンがまず描く中国の地図は、2つの国で世界のGDPの約40%、軍事費の約50%を占める、非公式のグループ構成概念、G2
もちろんそれは、米国と中国のグローバル社会における存在とその関係・影響力の大きさを示す象徴としてのものです。
当時のビル・クリントン大統領が外交の最大成果と呼んだ、2001年に認められた中国のWTO世界貿易機関)加盟がもたらした、その後の世界経済における同国の急速な成長・膨張。
それは、一方で、貿易戦争、経済や安全保障問題をめぐる対立、米中経済のデカップリング論、軍拡競争、経済モデル、そして21世紀の盟主の座をめぐる争いと、連綿とつながる問題を提起していることをヤーギンは示します。
そして新型コロナウィルスの拡大における分断も巻き込み、米ソ時代とは異なる種類の冷戦を引き起こしているとも言います。

 

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習近平・中国の野望、多様な背景にある中東のエネルギー戦略事情:ダニエル・ヤーギン著『新しい世界の資源地図』から考える、2050年日本のエネルギー・資源戦略-2 – 2050 SOCIETY